珊瑚海海戦とは? |
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日本は太平洋戦争(大東亜戦争)緒戦(南方作戦)において、
援蒋ルート遮断と資源(原油、鉱物、天然ゴム等)の獲得のため、マレー(マレー作戦)、
ビルマ(ビルマの戦い)、フィリピン(フィリピンの戦い)、シンガポール(シンガポールの戦い)、
ボルネオ・インドネシア(蘭印作戦)などといった広大な連合国植民地を占領
していきました。アメリカとの長期持久戦は不利と判断した日本海軍は
積極的に戦線を拡大し、アメリカの主力艦同士の決戦を望んでいたのです。
海軍が計画した1つの作戦が連合国の反攻拠点と考えられたオーストラリア
の攻略作戦でした。アメリカ艦隊を引き寄せて撃滅しアメリカの継戦意欲を
失わせようとしたのです。1942年5月4日、午前6時30分、
日本軍のツラギ島占領を知ったアメリカ機動部隊の指揮官:フランク・フレッチャー少将
は、直ちに空母レキシントンから艦載機を飛ばし攻撃を開始しました。
一方、日本側はラバウル島基地で第4艦隊司令長官井上成美中将が、
この作戦の総指揮に当たっていました。ツラギ島での被害を知った日本軍は
アメリカ機動部隊を撃滅する為、5月6日、高木武雄中将の指揮する
日本海軍機動部隊が珊瑚海へ進出しました。こうして、
日本軍の空母:翔鶴、瑞鶴、祥鳳をはじめとする29隻からなる大艦隊と
アメリカ軍の空母:ヨークタウン、レキシントンをはじめとする24隻からなる大艦隊
の戦いの火蓋は切って落とされたのでした。(歴史上、初の空母と空母の戦いでした。)
「空母と空母の戦いは先に敵を見つけた方が勝つ」と高木武雄中将、
フランク・フレッチャー少将とも分っていた為、索敵機で必死に空母を
探していましたが、5月6日は両軍とも空母を発見する事はできませんでした。
5月7日、日本側の輸送船団護衛の空母祥鳳を発見したアメリカ機動部隊は
空母「レキシントン」から50機、空母「ヨークタウン」から42機の攻撃隊を発進させ
爆弾13発・魚雷7本を命中させ、午前9時31分に空母祥鳳を沈没させました。
しかし、日本軍は5月7日もアメリカ軍空母を発見できず終わりました。
5月8日、午前6時22分(08:25)、翔鶴索敵機(機長:菅野兼蔵飛曹長)
は米軍機動部隊を発見し、午前7時30分(09:30)、空母「瑞鶴」から
嶋崎重和少佐率いる31機(九七艦攻8、九九艦爆14、零戦9)、
空母「翔鶴」から高橋赫一少佐(攻撃隊隊長)率いる38機(九七艦攻10、
九九艦爆19、零戦9)、両空母合計69機の攻撃隊が進撃し、
空母「レキシントン」に対して、魚雷2本、250キロ爆弾2発命中、至近弾5発
を加え、沈没させました。また、空母「ヨークタウン」に対しては250kg爆弾1発
だけを命中させました。この時、日本軍もアメリカの艦載機による攻撃を受け、
空母「翔鶴」に450kg爆弾2発が命中し、エレベーターが陥没し、
飛行甲板は破壊されました。この戦いにより、日本海軍は、
空母「祥鳳」を失い、空母「翔鶴」は大破し、アメリカ海軍も
空母「レキシントン」を失い、空母「ヨークタウン」が中破しました。
上記のようにお互いの戦果は互角でしたが、この戦いで日本軍は
オーストラリア攻略・戦線の拡大を諦め、徐々に守勢に回るようになりました。 |
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第1話:太平洋戦争の原因(開戦の経緯)
補足:日本軍(旧日本軍)の階級・組織をまとめてみた
第2話:真珠湾攻撃(ハワイ奇襲)とは?
第3話:マレー作戦(マレー・シンガポール進攻作戦)とは?
第4話:香港の戦い(香港攻略・C作戦)とは?
第5話:マレー沖海戦とは?
第6話:珊瑚海海戦とは?
第7話:ミッドウェイ海戦とは?(敗因)
第8話:前編:ガダルカナル島の戦いとは?(第一次ソロモン海戦)
第9話:後編:ガダルカナル島の戦いとは?(第二次ソロモン海戦)
第10話:マリアナ沖海戦とは?
第11話:レイテ沖海戦とは?[神風特攻隊(特別攻撃隊)の誕生]
第12話:硫黄島の戦いとは?
第13話:沖縄戦(沖縄の戦い)とは?
第14話:日本本土空襲とは?
第15話:日本の降伏(ポツダム宣言受諾)とは? |
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